１　取材の期日　　平成２４年１２月２７日（木）、２８日（金）　９：３０～１６：００

２　新収蔵作品について

作者名　　   伊藤小坡

作品名　　   『製作の前』　　　

制作年                     大正２年（1913年）

材質・形状                            絹本着色・軸装　　　

寸法                         １２７　ｃｍ×　４２　ｃｍ

　伊勢で生まれ、磯部百鱗に絵の手ほどきを受けて、京都に出て研鑽を積み、一躍脚光を浴びたのは、大正4年の第9回文展に出品した『製作の前』が初入選し、しかも3等賞を受賞したときでした。伊藤小坡の初期の作品のなかでも、この『製作の前』は、生活風景を斬新な視点から制作する方向が定まったことを示す最も重要な作品といえますが、残念なことに戦災で焼失してしまいました。

　このたび当館が収蔵しました『製作の前』は、文展で3等賞を受け戦災で焼失しました『製作の前』と同じ題名で、文展に出品する2年程度以前に制作されたものと想像でき、大正期に活躍して高く評価された伊藤小坡の制作の原点を知ることができる貴重な作品といえます。